判断フレーム

100万円均一ルール。予算は「乗り出し110万円」で先に固定します

中古車選びで失敗する人の多くは、順番を間違えています。

先に車種や見た目から入って、気に入った一台を見つけてから、予算を後づけで正当化する。こうなると相場にもセールストークにも引きずられます。僕も最初は、危うくそうなりかけました。

なので順番を逆にしています。買う前に、予算の上限を一本だけ決めてしまう。 それが100万円均一ルールです。

100均が税込110円なのと、同じ構造です

100円ショップでレジに出すとき、実際に払うのは税込110円ですよね。100円の商品なのに110円出す。誰も文句を言いません。

このサイトの基準も、まったく同じ構造にしています。

車両本体は100万円均一。諸費用まで含めた乗り出しで、110万円まで。

なぜこの形にするかというと、本体価格だけ見て予算を組むと、ほぼ確実に足が出るからです。

落札555,000円の車が、886,700円になった話

抽象論より実物のほうが早いですよね。いま乗っているセレナの内訳を出します。業者オークションで落札したときのものです。

項目金額
落札価格555,000円
ボディガラスコーティング66,000円
整備工場の手数料55,000円
車両回送料22,000円
12ヶ月点検一式22,000円
オークション落札料10,450円
ETCセットアップ3,300円
燃料代1,650円
その他(自動車税・検査登録手続きなど)約151,300円
乗り出し合計886,700円

落札から乗り出しまでで、33万円ほど積み上がっています。 本体55万円の車だと思って予算を組んでいたら、確実に事故でした。

だから最初から「乗り出しで110万円」と決めておく。本体価格に惑わされないための、いちばん実務的な防波堤です。

なぜ100万円均一で足りるのか

理由は3つあります。

ひとつ、この価格帯で、足車に必要なものはそろいます。 通勤、送り迎え、買い物、たまの遠出。用途を並べてみると、それ以上の金額を正当化する要素は、あまり見当たりません。

ふたつ、新車がいちばん急に値下がりする区間を、前のオーナーが通過してくれたあとだからです。100万円均一の棚に並んでいるのは、その坂を下り終えた車たち。いちばん高い区間の代金は、もう誰かが払ってくれています。

みっつ、上限を切ること自体が、選別として働くんですよね。青天井で探すと、人は際限なく「もう少し良いもの」に引っ張られます。上限があるからこそ、「年式を取るか、走行距離を取るか」を冷静に天秤にかけられる。制約は不自由ではなく、判断の精度を上げる道具です。

枠の中での攻め方は、自由です

僕自身、同じ枠のなかで真逆のことをやっています。

ひとつは安い車を過走行まで使い倒す型。ヴォクシーは走行9万kmを乗り出し48万円で迎えて、15万5千kmまで走りました。もうひとつは古いけれど距離が少ない玉を拾う型。セレナは12年落ちで走行3万km台を、886,700円で取っています。

狙い方は正反対ですが、どちらも枠の中に収まっています。上限さえ固定してしまえば、その中での攻め方は自由ということです。

ちなみに、100万円に魔法はありません

誤解のないように書いておきますね。100万円という数字そのものに、特別な力があるわけではないです。家族構成や使い方によって、適正な上限は変わります。

本質は金額ではなく、「上限を先に決めて、動かさない」という順番のほう。あなたの家庭にとっての一線を引いて、それを守る。それだけで中古車選びの精度は、たぶん一段上がります。

上限が決まったら、次は「その一台があと何年・何万km走れるか」を見立てる番ですね。そこは残耐用の記事で扱います。

残耐用の見立て。中古車の価値は「あと何年・何万km走れるか」で決まります