判断フレーム
修復歴あり2台。線を引いたのは、2台目からだった
2010年式のヴォクシーは乗り出し48万円、2012年式のセレナは886,700円。どちらも「修復歴あり」の車だ。
1台目は基準なしで買った。線を引いたのは、2台目から。その順番を、実額と一緒に残しておく。
1台目のヴォクシーに、基準はなかった
ヴォクシーは2010年式、走行9.3万km。車両本体40万円に諸費用8万円を足して、乗り出し48万円だった。買ったときの書類は手元に無く、年式と内訳は記憶による。修復歴はフロントの左側。左右を見比べると、ドアを閉めたあとのパーツのズレに違いがあった。
探していたのは、70系のヴォクシー。出会った個体に修復歴があり、そのぶん安かった。避ける線はあったのか。特にない。事故車を買ってみたい、という好奇心のほうが勝っていた。
決め手はシートの状態。革だと割れていることが多いが、この個体は布で、運転席に座って見渡しても違和感がなかった。ボンネットは、一度も開けていない。
手放したのは15.55万km。約6.2万kmのあいだ、修復に起因する不具合は経験していない。最後は走行中の大きな異音で引退した。整備工場の見立てはオルタネーター(発電機)で、見積もりは取っていない。修復との関係は不明。ただし1台だけの結果で、フロントの修復なら大丈夫、という根拠にはならない。
2台目のセレナで、初めて線を引いた
セレナは、整備工場の社長を通じてUSSのオークションで落札した。出品票の評価点はR。検査員の報告には、リア側の修復、Rパネル、Rフロアの文字がある。Rパネルには「曲がり・ヒズミ」の記載もあった。
基準を持ったのは、ここが初めて。FF車はエンジンも駆動輪も前にあるので、パワートレインに影響のないリア側、追突されたような事故車を探した。
きっかけはヴォクシーの不具合ではない。むしろ逆で、修復歴ありのヴォクシーで困らなかったことが、2台目も修復歴ありを選ぶ自信になった。そのうえで、こだわるならどこか、を自分なりに考えた。
社長に候補を頼んだ時点で、リア側の修復と、S-HYBRID(ハイブリッドの仕組みを積んだ型)ではないことは伝えてあった。LINEで届いた8台から絞った条件は、走行距離・色・価格の3つ。R点は避ける対象ではなく、狙う対象だった。相場が下がった分だけ、安く取れる。
2台を並べると
| ヴォクシー | セレナ | |
|---|---|---|
| 年式 | 2010年 | 2012年 |
| 買ったときの走行 | 9.3万km | 32,882km |
| 修復歴の場所 | フロント左 | リア側(Rパネル・Rフロア) |
| 乗り出し | 48万円 | 886,700円(落札555,000円) |
| 買う前の基準 | なし | FF車なので、駆動系に影響しないリア側 |
| 買ったあと | 約6.2万km走って、修復に起因する不具合なし(最後はオルタネーターと見られる異音で引退) | 約2年・約2.4万kmで、修復歴に起因する不具合は確認していない(後席中央のシートベルトの受け口を交換。原因は子どもが詰めた物) |
基準の有無を除けば、2台とも同じ結果に見える。この点は、あとの節で扱う。
安かった理由は、評価点だと見ている
セレナの前オーナーは、12年で約3.3万kmしか走っていない。年に3,000kmにも満たない計算だ。グレードは上位のハイウェイスター、両側パワースライドドアとアラウンドビューモニター付き。
低走行で、上位グレードで、装備も揃っている。それでも886,700円で乗り出せたのは、なぜか。
修復歴のある車は、相場が下がる。この個体を押し下げたのも、走行でも装備でもなく評価点Rだった、というのが見立て。ただし、修復歴のない同型を並べて確かめたわけではなく、断定はできない。
引いた線は、まだ粗い
引いた線は、前か後ろか、その1本だけ。出品票に書かれているのは、直した場所と検査員の所見まで。直し方の質や、修復の程度までは読み取れない。
リア側なら安全、と言えるのか。Rパネルには曲がり・ヒズミの記載があり、Rフロアも直してある。
さらに、線のないヴォクシーはどうだったか。修復に起因する問題は、こちらでも出ていない。基準なしでも見つからず、基準ありでも見つからない。線は効いたのか。2台の結果は、それを教えてくれない。
売るときの値段は、セレナではこれから。一次データは2台だけで、修復歴車を勧める記事ではない。
まとめ:線は1本だけ持った
出品票で見るのは3点。修復歴の有無を示す評価点、直した場所の記載、自分の車の駆動方式。FFなら駆動系から遠い後ろ、という軸は自分で決めたもので、正解として渡すものではない。同じ形で軸を決めることは、誰でもできる。
1台目の線は白紙で、2台目の線は1本だけ。2台目はまだ手元にあり、答えが出るのは手放すとき。