判断フレーム
13年超の重課は、手放す合図ではない。降りる線は3つ、先に決めてある
2012年6月登録のセレナを、2024年7月に走行32,882kmで買った。12年落ちである。買って1年もしないうちに、初度登録から13年を超えた。
13年を超えた車には、税金の割増がかかる。自分の車にかかったと気づいたのは、納税の書類が届いたときだった。手放すことは、浮かばなかった。
重課は、書類が届いて知った
自動車税の納税の書類が、郵送で届いた。13年超の重課に気づいたのは、このとき。
いくら上がったのか。実は覚えていない。金額を気にしていなかったからだ。
制度のほうを先に書いておく。自動車税の重課は、4月1日の時点で初度登録から13年を超えている車にかかる。この車は2026年度の分からが対象になった。
重量税は車検のときに納める。こちらは2025年6月の車検で、すでに13年経過の額を納めていた。
実際に払った額は、2年間の維持費の記録にまとめてある。
手放すことは、浮かばなかった
重課の書類を見て、買い替えを考えたか。考えていない。
理由は単純で、そういうものが来る前提で買っていた。12年落ちを買えば、翌年には13年。買う前から分かっていたことだ。
世間では、13年はひとつの区切りとして語られる。税金が上がるから、そろそろ替えどき。本当にそうだろうか。
税金が上がるのは事実で、負担は実際に増える。ただ、それは持ち続ける費用が少し変わったという話である。車が走れなくなったわけではない。
物差しは年数ではなく、前の車が走れた距離
では、いつまで乗るつもりで買ったのか。
物差しにしたのは、前に乗っていたヴォクシー。あの車は15.55万kmまで走れた。それなら同じくらいまでは乗れるだろう、と楽観していた。年に1万km強走るとして割り算をすると、10年くらいになる。
計算をしてみる。買ったときが32,882kmなので、15.55万kmまでは残り122,618km。2026年5月にディーラーで修理の見積もりを取ったとき、走行は55,241km。買ってから22か月で、年におよそ1.2万kmだった。このペースで割ると、約10年。届くのは2034年ごろで、そのとき車齢は22年ほどになる。
13年という数字は、この計算のどこにも出てこない。
正直に書くと、根拠は前の車1台だけである。車種も違う。同じ距離まで走れる保証はない。走ることに関わる問題は、いまのところ出ていない。ただ、それは2年分の結果にすぎない。
降りる線は3つ
年数で降りないなら、何で降りるのか。線は3つある。言葉にしたのは最近で、重課の書類が届いたあとのことだ。
| 降りる線 | 中身 |
|---|---|
| 経済的全損の事故 | 事故に遭い、時価より修理費が高くなったとき |
| 盗難 | 車そのものが無くなったとき |
| 消耗品の高騰 | 消耗品がとてつもなく高くなったとき |
3つの中に、年数も重課も入っていない。
1つ目の経済的全損は、もともと保険の用語である。車の時価より、修理費のほうが高くなる状態を指す。直せるかどうかではなく、直す理屈がお金の面で立つかどうかの話だ。
2つ目に説明は要らないだろう。車が無ければ、乗り続けることはできない。
3つ目がいちばん曖昧である。とてつもなく、とはいくらなのか。金額では決めていない。
比べる相手があるとすれば、そのときの車の値段だろう。複数の専門店に値段を聞く手段はある。使ったことは、まだ無い。
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線を先に決めておくと、何が変わるか。重課の書類が届いても、判断は動かない。動くのは、3つのどれかに当たったときだけ。
13年超は、なぜ安いのか
走れるのに、13年を超えた車は安い。なぜなのか。ここからは見立てである。
ひとつは、13年を超えた車は安くなるもの、という信仰に近い空気がある。買い替えを勧める側には実利があり、売り方としても都合がいい。
その結果として起きる実害もある。古い車は部品が出にくくなり、技術も先へ進む。日産の公式の案内では、補修部品に年数の定めは書かれていない。モデルの生産が終わったあと、一定期間、販売実績の無い部品から販売を終える。売れなくなった部品から無くなる、という仕組みである。
もうひとつは、買う側の気持ちのほうだ。修理が要りそうだ。手間がかかりそうだ。なんとなく怖い。そういう漠然とした不安が強いのではないか。
時間や手間は、見立てられれば許容できる範囲に落ちる。厄介なのは、見立てる前の漠然とした不安のほうである。不安に訴える広告も、そこを突いてくる。
この見立てが当たっているなら、安さの一部は車の中身ではなく、気持ちの側から来ている。ただし、線を決めずに買う人には向かない。
まとめ:重課の書類では降りない
重課は来る。負担も増える。それでも、手放す合図にはしなかった。
やったことは2つだけである。物差しを、年数ではなく前の車が実際に走れた距離に置いた。降りる線を、当たる前に3つ決めた。
同じ線である必要はない。先に決めてあれば、書類が1通届いたくらいで判断は揺れない。
次に届く書類は、たぶん来年の5月。開けて、払って、また1年乗る。